加工しにくい材料ってありますか? | |
あります。 粘りがあるものや加工時に切り粉(切削時にでる削りかす)が絡みやすい材質などは、 加工する際に精度や仕上がりに気を付ける必要が有ります。 特にPPやPEは伸び縮みしやすく切り粉が絡みやすい材質となります。 また、カーボンやガラスが混ぜてある材料は硬いため、切削抵抗が大きくなります。 加工後のソリや、刃物の摩耗に注意が必要となり、こちらも加工しにくい材料と言えます。 |
板材と丸棒の使い分けはどうしてますか? | |
【板材】 立方体形状の部品加工に使用します。主にフライス・マシニングを用いた加工を行います。 また、サイズの大きい円形の加工には、8角形に切り出して旋盤加工をする場合もあります。 【丸棒】 円柱形の部品加工に使用します。主に旋盤を用いた加工を行います。 |
材料ってどうやって製作されていますか? | |
一般的には押出製法による製作が主流です。 ペレット材と呼ばれる粒状のものを型に流し込み、圧力をかけながら徐々に冷却し成型しています。 ところてんを押し出しているイメージです。 |
よく使われる材料はなにがありますか? | |
使われる材料は多岐にわたり、弊社には常時40種類以上の材料在庫があります。 弊社でよく使用している材料は、PI・PC・POMが多いです。 PI=非常に高価ですが、耐熱温度が非常に高く、真空内でのアウトガス性にも優れています。 PC=透明樹脂の中では耐熱温度が1番高く、曲げ強度も高いです。 POM=安価な材料ですが、非常にバランスが良く、切削性も良いです。 |
材料の色によって違いはありますか? | |
着色しただけであれば違いはありません。 中にはカーボンファイバー等を添加し、特定の機能を付与するものがあります。 例としましては、PEEKにカーボンを添加したもので導電グレードが有ります。 本来樹脂は電気を通しませんが、カーボンを添加すれば電気抵抗値が下がり、 静電気を拡散してくれる特性が加わり機能性樹脂となります。 カーボンは黒い為、必然的に黒色になります。 |
樹脂は接着加工って出来ますか? | |
材料によっては出来ます。 接着では、溶剤で樹脂を溶かして溶着する事が一般的です。 代表的なものとして、塩ビ(PVC)、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ABS等があります。 |
樹脂は曲げ加工って出来ますか? | |
材料によっては出来ます。 熱で温めて曲げ加工を行いますので、耐熱温度の低い材料が曲げ加工可能となります。 曲げ加工に関しては、直角曲げ・R曲げ等、お客様の要望に合わせて加工可能です。 代表的なものとして、塩ビ(PVC)、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ABS等があります。 |
有害物質を含む材質はありますか? | |
ありますが、弊社では全ての材質において含有物質の調査を行っており、管理しております。 年々規制物質も増えているので定期的に見直して、有害物質を含まない材料選定を行っています。 |
材料はどのくらいの大きさで入荷されますか? | |
大小さまざまなサイズがありますが、一般的には 板材の規格:500×1000、1000×1000、1000×2000 丸棒の規格:長さが1000㎜、2000㎜ が一般的な大きさです。 |
材料はそのままの大きさで加工しますか? | |
板材の場合は製品サイズ+5㎜程度にカットして加工しております。 丸棒の場合は一つずつ加工して切り落とすため、切り落とししろが必要になります。 |
昔と今で使われる材料は変わっていますか? | |
昔はベークライトが主流でしたが、現在では一般工業、食品機器、医療機器、半導体機器など、用途に応じて様々な種類の材料を使用しています。 |
樹脂ってどんな歴史がありますか? | |
数千年前に樹木より樹液を抽出したものが最初の天然樹脂です。 その後研究を重ね1909年にアメリカのベークランド博士によって、 フェノール樹脂が初めて工業化に成功しました。 これが、初めて人工的に(植物以外の材料から)合成されたプラスチックになります。 |
においのある樹脂ってありますか? | |
ベークライトは、フェノール臭という刺激臭がしますが、ほとんどの樹脂は無臭になります。 |
樹脂の種類によって重さは違いますか? | |
それぞれの材質によって重さが異なります。 【重い樹脂】 テフロン(PTFE) 水の約2倍の重さがあります。(比重:2.2) 【軽い樹脂】 ポリエチレン(PE) 水に浮くほどの軽さです。(比重:0.95) |
時間が掛かり、加工困難な品物はありますか? | |
形状が複雑で工程が多いものや、寸法公差や幾何公差が厳しいものは加工に時間がかかってしまいます。 また、極端に薄い部分があるものや大きさが極端に小さい・大きい物や、形状にアンダーカット(刃物が入らないような形状)は困難な加工になります。 |
加工時に固定するものは何を使用していますか? | |
バイス、チャック、両面テープ、真空チャックなど、加工に応じた最適な方法で固定しております。 両面テープは金属加工ではあまり見られない固定方法です。 |
精度はどれくらいでますか? | |
基本的には工作機械の精度保証内にて加工しています。 樹脂は温度変化による寸法膨張が金属と比べると大きい為、どうしても金属よりも精度が安定しません。 30μの公差内を目安に仕上げておりますが、大きさや形状にもよりますので、お問い合わせください。 |
フライスで加工出来るものはどんなものですか? | |
ブロック形状のものです。 特に板厚加工に関しては、早く仕上げることができます。 |
6面フライスとはなんですか? | |
ブロック材の全面(6面)にフライス加工を施すことです。 |
旋盤で使用する材料は、丸棒だけではなく板材でも対応可能ですか? | |
対応可能です。板材を8角形に切断して加工しております。 |
旋盤で加工できる部品はどんな形状ですか? | |
旋盤は材料を回して旋削加工するため、円筒の外側の切削や、内側を中ぐり加工するのが得意です。 |
旋盤で対応可能な最大サイズはどのくらいですか? | |
弊社ではφ600まで対応可能です。 |
ボール盤の工程では何を行っていますか? | |
穴あけ、タップ加工、ヘリサート挿入などを行っております。 |
ヘリサートとエンザートの違いはなんですか? | |
【ヘリサート】 コイル状になっているヘリサートを挿入して、ねじ山を補強するのに使います。 【エンザート】 雌ねじが加工されているブッシュ状のエンザートを圧入、もしくはねじ込みながら挿入します。 単価は高くなりますが、締め付けトルクはヘリサートより強くすることが出来ます。 |
3軸マシニングセンタで使われているXYZ軸とはなんですか? | |
それぞれの移動方向をX(横). Y(縦). Z(高さ)で表します。 |
5軸マシニングセンタで使われているXYZAC軸とはなんですか? | |
3軸マシニングセンタの移動方向にA(傾斜軸). C(回転傾斜軸)を表します。 |
マシニングセンタとは何ですか。 | |
複数の刃物を自動で交換できる装置を持ち、NCのプログラミング制御で穴開けや平面削りなどを1台でこなせる機械をマシニングセンタといいます。 |
マシニングセンタで対応可能な最大サイズはどのくらいですか? | |
弊社では縦760×横1540×高さ500まで対応可能です。 |
マシニング・旋盤・ボール盤の刃物は同じものですか? | |
用途によってそれぞれ異なります。共通で使用できるものも中にはあります。 下記の様々な刃物の中から、加工に1番適した刃物を選定して加工しております。 ●ボール盤 ドリル、リーマ、タップ等 ●旋盤 バイト(外径バイト、内径バイト、ねじ切りバイト、溝入れバイト等) ●マシニング エンドミル、ボールエンドミル、ドリル・カッター等 |
~ボール盤で使用する~
ドリル・リーマ・タップ
~旋盤で使用する~
外径・内径・ねじ切り・溝入れバイト
~マシニングで使用する~
エンドミル・ボールエンドミルドリル・Tスローカッター
金属製品を樹脂部品に置き換えるメリットはありますか? | |
色々ありますが、4点例に挙げて紹介させて頂きます。 ① 軽量化 樹脂と金属の1番の違いは重さにあります。 比重で比較すると「樹脂の比重:1~2」「鉄や銅の比重:8~9」「アルミニウムの比重:3」 鉄や銅と比較すると、約1/4~1/10。アルミニウムと比較しても約半分の軽さとなります。 軽量化によって、省エネルギー効果をもたらすことが可能です。 ② 耐薬品性 金属は一部を除き、酸化しやすく錆が発生します。また酸やアルカリにも侵されやすいという特性があります。 樹脂の場合は、薬品に応じて材質を選定すれば、耐薬品性に優れたものが必ずあります。 正しい材質選定を行えば、部品劣化を防ぐ効果が期待できます。 ③ 透明なものが製作可能 金属には透明なものが有りませんが、樹脂にはあります。 中が見えず、作業性が悪かった場所も樹脂にすることにより、可視化が可能です。 ④ 柔らかい 金属は非常に硬く、丈夫ですが相手側に傷をつける可能性があります。 その反面樹脂は柔らかいので、相手側に傷をつける可能性を減らせます。 |
成形品と切削品の違いはなんですか? | |
成型品は型に樹脂を流し込んで作り、切削品は板材や丸材から削って作ることを言います。 成型品は大量生産、切削品は少量多品種に向いていると言えます。 |
切粉、バリとはなんですか? | |
【切粉】 切削した際に出る削りかす。 【バリ】 加工時に発生するカエリ(残留物) |
製品の価格はどうやって決めていますか? | |
加工費(加工時間)+材料費=製品の価格となります。 |
加工時間はどうやって計算していますか? | |
切削量と加工方法で加工時間を計算しております。 |
作った加工品はどのように使われていますか? | |
様々な産業機械の中へ組み込まれて使われています。 |
図面はどうやって作成していますか? | |
製図ソフト(CAD)を用いて図面を作成しています。 弊社ではSolidWorksを使用しております。 |
加工機は日本だけで作られていますか? | |
アメリカ・欧州・中国・韓国・台湾などでも作られています。 |
マシニング・フライス・旋盤・ボール盤に難しさ(扱いやすさ)に違いはあるの? | |
マシニングやNC旋盤は数値制御(NC制御)で駆動して、フライス・汎用旋盤・ボール盤などの汎用機は作業者が手動で操作しているため、汎用機には熟練度が必要になります。 数値制御は複雑な動きを、加工プログラムで実行することが出来ますが、汎用機のように手動で操作する機械は、熟練度が必要な割には複雑な加工はできません。しかし、加工プログラムが不要なためすぐに加工を始めることが出来るので、少ロットの場合は加工時間を短縮することが可能です。 |